正直、40万円は高い。
それでも——「かけて、よかった」と、心から思っています。
理由は、値段でも、豪華さでもありません。
この2日間が、子どもたちにとって最高の「お金の教室」になったから。
我が家がディズニーで実践した“お金教育”を、ぜんぶ書きます。
我が家では、子どもたちにお小遣いを渡しています。
今年でいうと、お正月にもらったお年玉1万2000円。これを1年間、自由に使ってもらう形です。
そしてお金は、必ず2つに分けて管理させています。
今回のディズニーでは、こうルールを決めました。
「ありがとうのお金」だけを持っていく。自分のお金は持たない。
「ありがとうのお金」は、お土産代。お世話になっている人のために使うお金です。

長男は、学校のお友達に「お土産買ってくるね」と約束していたらしく、すすんで“ありがとうのお金”を出してきました。
いっぽう次男は、自分のお金が減るのが嫌なタイプ。
「俺は買わない。持ってかない」と言い張ります。
でも——「もし“買ってあげたいな”と思ったときに、買えないと困るよね」と話して、結局は念のため持っていくことに。
お金を使うルールを決めてから、ディズニーへ向かいました。
長男は道中ずっと「買いたい、買いたい」「お店入りたい」と言っていたので、「じゃあ今、買いに行こうか」と。
最初に選んでいたのは、キーホルダー、コップ、タオル。
……ちょっと、高い。
「これじゃ予算オーバーだよね」という話になって、お菓子が売っているエリアへ行ってみました。
すると、1000円以内で買えるお菓子がたくさん。
その中から、本人が気に入ったものを選びました。

そして、自分のお財布からお金を出して、自分でお会計。

「高い」「安い」って、教えられて分かるものじゃないんですよね。
自分のお金で、選んで、払う。そのとき初めて、体でわかる。
今回はディズニーシーとディズニーランドの2日間。
自分自身へのお土産については、こう約束しました。
「2日間で、1個だけ」

長男は、「これ欲しい」「あれ欲しい」となりながらも——
「今回はちょっと、見送るかな」。
悩んだ末に、自分で「買わない」を選びました。
いっぽう次男は、「今すぐ買いたい!」と即決。
選んだのは、スティッチの抱き枕。
じつは次男、慎重であまりお金を使いたがらないタイプ。
その子が珍しく一目惚れで即決したので、よっぽど気に入ったんだと思います。

そのあとはずーっと抱きしめて、次の日のランドにも連れて行って、大切に大切に扱っていました。

「買う」も「買わない」も、どちらも自分で決めた選択。
限られた1個を、どう使うか。それを考える時間そのものが、学びでした。
この旅には、もうひとつ目的がありました。
子どもたちの幼稚園・年少のときの担任だった先生に、会いに行くこと。
先生は年中に上がるタイミングで幼稚園を退職し、ずっとなりたかった夢を叶えて、ディズニーシーのキャストになったんです。

子どもたちは、卒園してから小学校で頑張っていることをお手紙に書いて、絵と一緒に渡しました。
そして、先生が働いている姿を見ました。ゲストの方に、笑顔で対応している姿。
息子が知っているのは「一緒に遊んでくれる先生」だけ。
でもこの日、まったく違うお仕事で頑張っている姿を見ることができた。
自分の“好き”を貫いて、楽しそうに働く大人が、目の前にいる。
「お仕事ってどういうものなんだろう」を知るうえで、これ以上ない教材だったと思います。
今回はショーを事前に予約できて、いい席で見ることができました。
ダンスの迫力、身体能力の高さ——子どもたちは本当にびっくりして、感動していました。

あのステージに立っているのも、それぞれの“得意”や“好き”を極めた人たちなんですよね。
「あの人たちもね、みんな自分の好きを貫いて、好きをお仕事にした人たちなんだよ」
そう話したら、ショーの中に上り棒を使って踊るシーンがあって。
それに感動した長男が、一言。
「じゃあ僕は、上り棒を極める!」
……(笑)。でも、それでいいんです。
自分の“好き”が、仕事になって、お金に変わっていく。
その流れを知る入り口に、確かに立てたと思うから。
2日目。長男が、ベイマックスの光る剣を買おうか検討していたときのこと。
次男が「僕も欲しい!」「僕にも買って!」と言い出しました。
「あなたの分はもう買ったから、ないよ」——それでも「欲しい」と食い下がる。
でも、そこはルールなので譲りません。
すると次男、「じゃあ、僕にも遊ばせて」。
長男は「嫌だ」の一点張り。しまいには、弟が「貸して」「見せて」と言っても、無視するように。
そこで、声をかけました。
「無視するのは、ちょっと違うよね。二人で話し合おうよ」
「それが、交渉なんだよ」
お互いが納得したうえで決めた結論です。
正直、私には出せなかった提案でした。二人で話し合わせて、本当によかった。
結局、お金教育って「お金の使い方」だけじゃないと思っていて。
その根っこにあるのは、EQ(自分で決める力・問題を解決する力)なんです。
私が子育てとお金教育で、いちばん大事にしていることは2つ。
この積み重ねが、そのまま「お金をどう使ったらいいんだろう」につながっていく。
そしていつか、仕事の仕方にも反映されていくと思っています。
じつは、EQが高い人は、平均より年収が300万円ほど高くなるとも言われています。
私がお金を通して子どもに伝えたいのは、まさにこの部分。
それを実感できた旅行でした。
最後に、いちばん伝えたかったこと。
この旅行は、毎回できることではありません。
私たち夫婦の結婚10周年のお祝いでもあり、私がずっと「いつか叶えたい」と思っていた旅でもある。
だから「すごく特別なことなんだよ」と、ちゃんと話しました。
そして、子どもたちに聞いてみたんです。
「このお金って、どこから出てるんだと思う?」
そう話したら、子どもたちが「ありがとう」と言ってくれて。
次の日の朝には、朝ごはんを作って持ってきてくれました。
「朝ごはんだよ。いつもお仕事遅くまで、ありがとう」
……これは、本当に嬉しかった。
でも私は、同時にこう伝えています。
「お父さんとお母さんがね、日中お仕事に全力で集中できるのって、なんでだと思う?」
「それは、あなたたちが幼稚園と小学校を頑張っているからだよ」
着替えがめんどくさい日も、プールに行きたくない日もあると思う。
それでも毎日、決められた時間に行って、頑張って帰ってくる。
その時間があるから、お母さんたちは集中して、たくさんの人に感謝してもらえるお仕事ができている。
だからこの旅行は、あなたたちのいつもの頑張りでもある。
それが“ありがとうのお金”に変わって、今回みんなで使うんだよ、と。
家族は、チームだと思っています。
誰かひとりが頑張ったから行ける、じゃない。
一方が感謝して、一方が感謝されるだけでもない。
お互いに「ありがとう」を伝え合って、今の生活がある。
だから、家族で支え合おうね、と。
おもちゃはいつか飽きる。服もすぐ小さくなる。
でも、この2日間で子どもたちが受け取ったものは、たぶん一生消えません。
だから私は、40万円を「高い」とは思わない。
むしろ——かけて、よかった。
子どものお金教育をしたくても、
まずはおうちの家計にゆとりがないと、なかなか難しいもの。
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